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2019/03/09 13:53

菊地画伯の日常のブログとは別に毎週土曜日の朝に更新される《唇寒(しんかん)》という画論(だと思います!)があります。

2018年5月12日の《唇寒》には実体験にもとづく熊谷守一と長谷川利行の比較から、絵描きの画力と描いた枚数の関係など縦横無尽に語られていて楽しいことこの上ありません。結論から言うと、長谷川利行に大軍配が挙げられています。

菊地画伯のブログにも紹介されていた長谷川利行の言葉 「ボク/絵ガカケテ/悦シガッテ居ルノハ/事実デス」にならうと、

熊谷守一の場合はさしずめ「ぼく/昆虫を見られて/嬉しがっているのは/事実です」ということになるのかも知れません。「(守一)は絵なんて描きゃしないのよ」という熊谷守一の奥さんの言葉も手厳しい!


ところで、ちょっと通っぽい感じになりますが、絵を褒めるときに使う「この絵は絵の具がよくついてるねえ」という言い方があります。菊地画伯のこの《光る海》は「絵の具がよくついている」絵の代表格ですね!


わかりやすく言うと「絵の具がよくついている」には2つの意味があります。

1.物理的に絵の具がキャンバスにしっかりと付着していて、物理的に剥がれ落ちる心配がない。

  要は絵の具の使い方がちゃんとしている、こなれているということなんですね。

  絵の具の使い方がデタラメな絵は絵の具がカンヴァスから剥がれ落ちそうで安心してみていられません。

  

2.ひと言でいうとヴァルール(色価)が正しく合っている。

  「ヴァルールがあっている?」ってなんだという感じですが、色があるべき場所に適切な分量で配置されている状態

  です。具象絵画でいえば、空間配置の遠近感と色の配置の遠近感があっている状態です。浮いた色がないとも言えま

  す。